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2021.10.01

【ふんクロ便り#04】制作舞台裏 第2迴 -PV/CMその2-

こんにちは、ディレクター臼井です。

本日Characterページにて麻倉家(幹久、たまお)を公開いたしました。
2人プレイアブルに追加するのに、3Dモデルが6体必要という制作泣かせな麻倉家・・・
ただ脇役も敵もそれぞれ愛らしいのがSHAMAN KINGの良さ。
しっかり愛情込めて作られていますので是非チェック頂ければ嬉しいです。

ふんクロ PV/CM制作編 第二弾

さて、今回は現在SHAMAN KINGの中で放送されている、ふんクロPV/CM編第2弾。
映像制作現場の皆様のこだわりなどを聞いてきました。

臼井:PV/CM公開お疲れ様でした。本日は実際に映像を制作された皆様に集まって頂きました。
まずは自己紹介と役割からお願いします。

映像の設計図「Vコンテ」

福原:福原と申します。今回のPVでは全体の設計図になるレイアウト、Vコンテを担当しました。

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臼井:放送はご覧になられましたか??手応えなどどうでしたか??

福原:はい、CMをリアルタイムで会議室に集まって皆で見たんですけど感慨がありました。

臼井:レイアウトのお仕事というのはどういったお仕事なんでしょう?

福原:映像の設計図になります。設計図がちゃんとしていないと構成がちゃんとせず意味のない映像になってしまうのでVコンテという形で最初にしっかり作っています。セリフも仮ボイスなどを入れたりしました。

臼井:あれには大変助けられました。実際にレイアウトをやってみてご苦労されたのはどういった点でしたか?

福原:ワークフローの部分です。キャラが飛び出して戻るといった点がMayaやAEで普通は1cutごとなんですが、今回は入り乱れているのでそこは苦労しました。

臼井:今回3Dということで僕もコンテもどきのものを書いたりするんですが、どういった点に気を付けるんでしょう?

福原:見ている人が分かりやすいようにです。コンセプトを守りながら、各パートを整合性を保ちつつ構成するところを意識しました。

 

シンプルだけどダイナミックなラストカット

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松木:アニメーターの松木です。後半の荒野のパートをレイアウトからアニメーションまで担当しました。

臼井:荒野のパートは演技が少ないというか止めの絵で難しかったんじゃないでしょうか?

松木:はい。前半の2D/3Dの組み合わせのように派手なかっこよさもないし、バトルのような派手さもない中で、
最後の締めとしてふさわしい印象にできるのかな?というのをとても考えました。

臼井:BGMの盛り上がりもあってとてもよい締めになっていたと思います。

松木:キャラが全員集合という熱いシチュエーションなので、この後の戦いを予感させるシンプルだけどダイナミックなものを狙いました。

臼井:ひとりひとりの演技も松木さんがお考えに?

松木:はい、こういう演技ならこのキャラぽいかな?と考えて作りました。

 

力を入れたキャラクターフェイシャル

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酒井:アニメーターの酒井です。キャラの紹介パートを、レイアウトを元にアニメーションを担当しました。

臼井:酒井さんはゲーム側もモーションやられてますがPVはまた違うものですか?

酒井:はい。ゲームはカメラが決まってないので360度意識するんですが、PVではカメラがある中での演技なので、カメラありのアニメーションは経験が少なかったのでキャラの魅力を、短い尺の中で伝わるといいなとおもって特にフェイシャルは力を入れました。

臼井:手応えあったカットはありますか?

酒井:アンナの振り返りの時の伏し目のアンナ。アンナっぽくできたかなとお気に入りです。

臼井:是非見てもらいたいですね。全キャラ担当されたというところで、今回はハオ様もいましたが。

酒井:難しかったです!!止まってる絵から3Dに変わるところのハオの威圧感・ボス感はとてもかっこいい見せどころなので、顔はかなり試行錯誤して印象を近づけようと頑張りました。

臼井:キャラのそれらしさは僕らは「キャラ感出してください!」くらいしか言えなかったりするので、
一個一個解釈して落とし込んで頂けるのは本当に皆様のご尽力のおかげだなと思っています。

臼井:ゲーム側でも本当に細かいところまで作って頂いていて、モーションがあがってくると「これカワイイー」と盛り上がってます。

Unityでのレンダリングチャレンジ

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澤井:澤井です。「ルック」という見た目に関わるところに携わりました。よろしくおねがいします。

臼井:制作中に頂いた夕日カットは開発のメンバーも衝撃を受けていたようでした。スマホの壁紙にしてます。
今回ゲームで使っているUnityをレンダリングでも使うチャレンジをされたということで。

澤井:正直怖かったがゲームのモデルをキレイにするだけでいい動画になる予感はありました。
社内でもいつかやりたいと言っていたのでリアルタイムレンダリングにチャレンジできたのはとてもありがたかったです。

臼井:新しいチャレンジということで大変だったのではないですか?

澤井:最初は一人で何から始めていいのか・・・ネットで調べてから始めました。
たまにStudioZさんとのチャットを覗いてゲーム側でやってることを参考にしたり。
最終的にはUnity Japanさんの最新のツールを提供頂いたりして。
CGWORLD Fridayにて特集されていますので映像業界にご興味のある方は是非チェック!)

臼井:PVは社内ではワッとなったタイミングだったんですか?

澤井:福原くんのレイアウトが変わっていくひとつひとつでワーっとなっていました。
毎回すごいのが上がってくるねと話をしていて、すごいスピードで。
そのスケジュール感は激しかったですが、楽しんでたと思います。

酒井:楽しかったです!

先輩に支えられながらのはじめての担当プロジェクト

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矢代:制作進行としてスケジュールやデータ周りのやりとりを担当しました、矢代です。

臼井:今回、制作進行も映像だけで3社(モーショングラフィックス Fapper3様)で大変だったと思いますが。

矢代:楽しかったですがカオスでした・・・。アプローチの認識がズレていたり、その認識が一致して頃には今度はスケジュールにどう落とし込むか。難しかったです。

臼井:スケジュールは本当に難しいですよね。思い通りにいかない事もあったと思いますが、どうでしたか?

矢代:自分は去年まで学生で、この中では新人ではじめてのプロジェクトだったので、一般的なものがわからなかったんです。なので現場から「タイトすぎる!」と言われて、申し訳ないな・・・と思いながら調整していました。

臼井:先輩方はどうだったんですか??

一同:・・・(笑)

矢代:いってくださいよ!(笑)

澤井:焦りはあったと思いますが、「ここまでに◯◯してもらって」といったアドバイスはしてました。

臼井:はじめてのプロジェクト、しっかりゴールできたのは良かったですね。

矢代:ハイ!納得いくものになってとても楽しかったです。

 

ユーザーさん、視聴者さんに見てもらいところ

福原:ハオパートのスピリットオブファイアはモーショングラフィックス映えしたなと思っています。

松木:担当した荒野。全部です!

臼井:細かいんですよね、演技が。一個だけココが推したい!・・と言ったら?

松木:葉くんの決めポーズのところ。阿弥陀丸が出てくる表現感は是非見て頂きたいです。

臼井:ゲームの中でも持霊の出現の表現は難しいんですよね。

澤井:最初は煙など色々やってみたがそれだと今回のテイストとあわず、光の表現など試行錯誤しました。
今回、好きな作品でもあるSHAMAN KINGらしいタッチ感をどう表現できるか、質感、影の出方やグラデーションはこだわったので注目していただけたらなと思います。

臼井:3DCGもいろんな質感がありますよね。

澤井:はい、キレイにするのはいくらでもできるんですが、今回はあえてアナログ感を出すようにしました。
ホロホロが白黒から出てくるところは2Dっぽく見えますがCGで作られているところもあって、2Dとの自然な融合感が出せたと思います。

制作中のエピソード

矢代:今回見てて思ったのは・・・ここにいるのは皆さん得意なモノがあるすごい方達なんですが、
代表の斎藤が、あんまり得意じゃないところを要求するところが。

臼井:お?是非聞かせてください。

福原:背景美術を使うカットは本来2Dカメラワークが主流なんですが、今回は背景美術を使うのにカメラを3Dで回すワークフローを提案された為、それに答えるのに一苦労しました。

松木:斎藤さんからの要求は少なかったですが、メインでやってた案件以外で突然参加する形でして。
はりきって作って見せたら、「カット数が多いよ」と(笑)
映像としては好評だったのでそのまま進んで作業量がとんでもないことになって自分で自分の首を締めました。

酒井:ホロホロの飛び降りからカメラ前を舐めて葉と対峙するところは、最初は全然ダメでした。
タイミングやスペーシングがすごい難しかったです。

臼井:そういったものを作る時はどんなことを気を付けたり参考にするものがあるんでしょうか?

酒井:いろんなアニメの近づいてくる表現を1コマ1コマ研究しました。ここでこうなってるんだ!と発見もあったり。
でも自分で表現してみると難しかったです。

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斎藤:酒井さんはキャラの表情作りがとても上手いんです。「視聴者が欲しいキャラの顔」がちゃんとわかっている。
動きだけで魅せる映像を作ることもできますが、それを命が宿っているところまでもっていくことができる。
これは絵心が必要なんです。

酒井:実はホロホロもアンナの顔も実は正面でみたら相当歪んでるんです。

臼井:え!?じゃあこれはモデルそのままではないんですか。

酒井:はい、口や目の位置を細かくズラしたりコマ毎にアニメ的にかっこよくなるようにしています。

澤井:これライティング泣かせな嘘だったりするんです。影の出方が変わったり。

臼井:なるほど・・・そういう1コマ1の積み重ねの90秒なんですね。お疲れ様でした・・・!

リリースを楽しみにしてくれるファンの皆様へ

臼井:それでは最後にリリースを待っているファンの皆様へ一言お願いします。

福原:キャラ紹介パートは名セリフを仕込んでいます。PVを見てワクワクしてリリースを楽しみにして頂ければ!

松木:SHAMAN KING愛に溢れたスタッフが動いているので期待して頂きたいです。

酒井:ひとつひとつのカットに想いがこめられています。これはゲームも同じなので楽しんでいただけたら嬉しいです。

澤井:自分は連載当時からコミックスも買ってたファン。そんな人間が作ってるのを伝えられたかなと。

矢代:ただの3DCGじゃなく、「ゲームの3DCG」というコンセプトを大事にしたので、ゲームも予告編に負けないようにしていければと思っています。

臼井:ありがとうございました!

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あとがき

今回はPV/CMの映像制作にフォーカスして現場の皆様のインタビューをお送りしました。
自分も1秒1コマ、思いが込められていると改めて感じ、改めてPVを見てしまいました。

さて、ここまでお付き合い頂いた皆様に新情報を!

ふんクロ版、花組のヴィジュアル解禁です。しっかりプレイアブルキャラクターです。
月内に公式サイト上で3Dモデル、Twitter上でイラストが公開予定です。
blank現在、スピンオフ「SHAMAN KING &a garden」でも活躍中の3人(続きが…気になる…)。
ふんクロでも彼女たちの魅力にトコトン向き合ってきました。お楽しみに!

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